建築家・遠藤新が設計した、葉山 加地邸(国の登録有形文化財)。
書籍「加地邸をひらく – 継承をめざして」から抜粋し、建築のエッセンスを紹介していきます。
加地邸コラム 〜 照明編 〜
邸内の見どころの一つが、遠藤新が自らデザインを手がけた照明。
なかでも目を惹くチェーンペンダント照明は5種類もあり、木製4種類と金属製1種類が現存しています。
居間(サロン)には、庭にむかって対象となるよう市松模様のペンダントライトが配置されています。この照明は天井を見上げて美しいだけではなく、吹き抜けの中二階から見下ろしても同じ印象を与えるよう、上面にも市松模様の装飾が施されています。
サロン奥の玉突室には、暖炉前と、部屋中央に「異なるデザイン」のチェーンペンダント照明が配されています。一つは金属製ですが、三つの円盤を組み合わせ、直線と半円を透かし彫りした和風の紋様です。機会があれば是非、現地で本物をご見学ください。
加地邸 玉突室(現:バーラウンジ) 手前と奥とで異なるデザインの照明
加地邸 玉突室(現:バーラウンジ) 暖炉前のペンダント照明(加地邸をひらく – 継承をめざして より)
扉の前には、暖かい色合いのデスクランプが置かれています。直線的なデザインは、今見てもモダンです。
階段のシンプルな照明。木製台座には繊細な装飾が施されています。
その先の展望室に配されたチェーンペンダントは市松模様ですが、部屋の大きさに合わせて、サロンのとは少しデザインが異なっています。
加地邸 階段ホール
加地邸 寝室
大谷石が特徴的なバルコニーテラス、金属製(銅)のブラケット照明。大谷石、木の梁、金属のバランスがなんとも力強いです。
加地邸 バルコニーテラス
写真 (C)Kanako Furune(特記のある写真を除く)
建物・建具(窓や扉)・家具・照明など統一してデザインする「全一」という加地邸のコンセプトを、リレーコラムで紹介します。
参考文献
*加地邸をひらく – 継承をめざして(監修:加地邸保存の会、発行:一般社団法人 住宅遺産トラスト)
*葉山加地邸 The archives of HAYAMA KACHI-TEI(オーナー作成)
加地邸コラム 目次
1. 建築のエッセンス編
2. 照明編
3. 大谷石 前編
4. 大谷石 後編
5. ポートレート撮影編
<ご紹介した貸別荘>
葉山 加地邸
住所:神奈川県三浦郡葉山町
利用日数:1泊〜
最大定員:6名
◎神奈川の貸別荘・コテージ一覧はこちら
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